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【読書レビュー】朝井リョウの「武道館」を読み終えました。その感想を書きます。

 

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私は個人的に朝井リョウさんの小説が好きで、ほとんどの作品は読んできました。そして最近新しい小説が発売されたと知り、ワクワクしながら読み始めました。今回はアイドルをテーマにした小説ということで、朝井さんがどのようにアイドルという一風変わった題材を描くのか期待しつつ読み始めました。

 

 

朝井さんの作品は学生を題材にしたものがほとんどです。今回の小説の主人公もアイドル兼現役高校生でした。幼い頃から歌ったり踊ったりするのが好きな主人公の少女はその延長でアイドルという仕事を始めました。高校生というまだ若い年齢でアイドルという仕事を選び、活動を続ける少女は世の中しがらみや理不尽に振り回されます。その中で自分なりの答えを見つけていくといった感じのストーリーですね。自分の気持ちに正直になり、自分のやりたいことを「選択する」ということがこの小説ののキーワードだと感ました。

 

私の中ではアイドルといえばAKBというイメージなんですが、最近はいろいろなグループが出てきていてさっぱりついていけていません。私は今までアイドルというものにあまり興味がなく、彼女たちの実態について知ることもありませんでした。しかし今回この小説を読んで、アイドルというものについて深く考えさせられました。メンバーの脱退、アイドルを取り巻くファン、アンチアイドルの人、ネットの書き込み、ネット上で無料で聞いたり見たりできる音楽や動画について、握手券付きCDを売ることの是非、アイドルの恋愛についてなど、現在でもよく話題に挙がる問題を描きつつ、それに対する本人たちの思いや苦悩が丁寧に描かれていました。

 

読み終えて最初に思ったのは「アイドルって大変だな」と、当たり前のことですが改めて感じました。

私もネットでアイドルに対する誹謗中傷をよく目にします。心無い発言をする人がネットにはいっぱいいます。そういうマイナスな発言ばかりが目立ちますが、応援する声もそれと同じかそれ以上にあるはずです、それがあまり表にでてこないだけで。アイドルの方々には批判に負けずに頑張ってもらいたいですね。

 

いろいろ思うことは多いですが、とにかく面白い本です。ネタバレはしたくないので内容については詳しくは書きません。もし興味がある方は読んでみてください。

 

 

 あと最近アメトークの読書芸人で朝井リョウさんの本が紹介されていましたね。「何者」という本です。この本は直木賞を受賞していて、やはりその受賞に見合うほど面白いです。よかったらこちらの本も読んでみるのをおすすめします。